腎臓病(腎硬化症)

腎臓病(腎硬化症)とは

何らかの原因で生じた高血圧のため、腎臓の細小動脈に動脈硬化などの障害が起こって腎臓の機能が低下する病気です。
眼底出血と腎臓病(腎硬化症)

腎硬化症により網膜で眼底出血を引き起こしたり、乳頭浮腫による視力障害を引き起こすことがあります。

腎硬化症は、良性腎硬化症と悪性腎硬化症とに区別されます。また腎臓病(腎硬化症)は、高血圧や糖尿病とも密接にかかわりあっている病気でもあります。

腎臓病(腎硬化症)の原因

良性腎硬化症は、はっきりとした原因がなく、遺伝や生活習慣による影響が強い高血圧によって生じる、軽~中等症の本態性高血圧により、長い年月の間に腎臓の細小動脈に動脈硬化が起こり、腎臓の機能が低下します。眼底出血と腎臓病(腎硬化症)の原因
 
悪性腎硬化症は、急激な血圧の持続的上昇で腎臓の細小動脈に障害がしょうじるもので、腎臓から血圧を上昇させるホルモン(レニン)が出て、さらに血圧を上昇させ、それがさらに腎臓を悪くするという「悪性サイクル」となります。

糸球体腎炎、慢性腎不全、腎動脈の狭窄(腎血管性高血圧症)、腎臓血管の炎症(血管炎)などからも生じ、まれに褐色細胞腫、原発性アルドステロン症(コーン症候群)、クッシング症候群などの内分泌障害も原因となります。

腎臓病(腎硬化症)の症状

重度の高血圧が脳や心臓に及ぼす影響によって引き起こされる症状が現れます。

良性腎硬化症は肩こり、頭痛、めまい、動悸などの症状が現れることがありますが、自覚症状がない場合も少なくありません。初期には蛋白尿をわずかに認める程度ですが、進行すると腎臓の機能が徐々に低下し、尿毒症(にょうどくしょう)になることもあります。

眼底出血と高血圧性網膜症悪性腎硬化症は、若い人に多く症状が強く現れ、血圧が急激に上昇することによって腎臓の動脈が強い障害を受け、蛋白尿(時に2~3g/日)、血尿を認め、腎臓の機能が急速に悪化し、急性腎不全に陥ります。

頭痛、吐き気、嘔吐、落ち着きを失う(不穏状態)、視力障害、眠気、錯乱などの症状が現れ、時にけいれん、意識障害(または昏睡)、心不全、てんかん発作を来すことがあり、適切な治療をしないと致死的になることがあります。

さらに、網膜の出血や体液の滲出、乳頭浮腫(にゅうとうふしゅ)のため、視力障害を起こします。

腎臓病(腎硬化症)の検査

眼底検査によって、出血部位、体液の滲出、視神経の腫れがわかります。心臓の肥大や心不全がみられることもあります。
そのほかに、自覚症状のチェック、尿検査、血液生化学検査なども行います。

確定診断をするため腎生検(腎臓の組織をとって調べること)が必要となります。

腎臓病(腎硬化症)の治療法

良性腎硬化症は、高血圧の治療が大切です。まず降圧剤で血圧を下げ、食事療法などを行います。腎不全になり尿毒症が出てくると透析療法を行わなければなりません。

食事療法として減塩食(1日6g以下)を行い、肥満の人はエネルギーを制限し、標準体重を維持します。また、運動療法も大切です。

眼底出血と高血圧性網膜症食事療法や運動療法で血圧のコントロールが不十分な場合は、降圧薬などの薬物療法が必要です。腎臓の機能が低下している時は、低蛋白食が必要となり、尿毒症に至った場合は、透析(とうせき)療法が必要になります。

悪性腎硬化症は、上昇した血圧をすみやかに下げることが必要ですが、下げすぎると腎機能がさらに悪化することがあるので注意が必要です。降圧薬は、最初は内服薬が効きにくいので、多くは注射薬を使用し、その後、内服薬でゆっくりと血圧をコントロールします。

悪性腎硬化症を放置すると約50%は6カ月以内に死亡し、80~90%が末期腎不全(まっきじんふぜん)(尿毒症)になるか、それ以外の人も大半は1年以内に死亡しますが、適切に血圧をコントロールできれば腎機能の回復が望め、死亡率は大幅に低下します。

腎不全が重度でなければ、治療でかなり改善します。進行性腎不全の場合は透析で現状を維持できますが、ときには透析を中止できるほどのレベルまで回復することもあります。

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